回 復
「アミタイの子ヨナに、次のような主のことばがあった。
『立ってあの大きな都ニネベに行き、これに向かって叫べ。彼らの悪がわたしの前に上って来たからだ。』
しかし、ヨナは立って、主の御顔を避けてタルシシュへ逃れようとした。」(ヨナ書1章
1〜3節)
ヨナが神様からの命令を拒んだのは、彼の愛国心のゆえだったのだと思います。ニネベはアッシリア帝国の首都であり、アッシリア帝国は北イスラエル王国を狙おうとしていました。その敵国の人々を神様が憐れもうとしているのを悟って(同4章2節参照)、ヨナは不従順の道を選んだのでしょう。しかし、ご存じの通り、神様はヨナに対して暴風と大きな魚による救いの経験をさせて、彼を不従順な態度から悔い改めさせました。
「立ってあの大きな都ニネベに行き、わたしがあなたに伝える宣言をせよ。」(同3章2節)
回復したヨナに対する神様の命令の文言は1回目とほとんど同じであることに驚かされます。神様は、大きな失敗をしたヨナが悔い改めて回復した時に、前と同じように用いてくださったのです。ここに、回復した者に対する神様の扱いの方針が表れています。神様は失敗から回復した者を用いてくださいます。
パウロの第一回伝道旅行に同行したマルコは、旅の途中でエルサレムに帰るという失敗を しました。しかし、後に回復したマルコに対して、パウロは3回にわたって言及し(コロサイ人への手紙4章10節、テモテへの手紙第二4章11節、ピレモンへの手紙24節)、彼がパウロと同じく囚人となっていること、務めの役に立つこと、同労者であることを証ししました。
失敗しないに越したことはありませんが、たとえ失敗したとしても、そこから回復する者への神様の憐みは計り知れないことが教えられます。